今回は、毎年恒例となっているナツハゼのジャム作りをご紹介します。
10月中旬になると、ナツハゼの実が黒く熟してきます。そこで、食べ頃になった実を収穫して、今年もジャムを作っていきたいと思います。
秋の訪れを感じながら、季節の恵みを楽しめるのも、手作りジャムの魅力ですね。
ナツハゼについて
まずは、ナツハゼという木について簡単にご紹介します。
ナツハゼ(夏櫨)は、ツツジ科スノキ属の落葉低木で、ブルーベリーの仲間です。日本に自生する植物であることから、「日本のブルーベリー」とも呼ばれています。
5〜6月頃には、小さくて可愛らしい釣鐘状の花を咲かせ、秋になると黒紫色の実をつけます。実が熟すのは10〜11月頃で、ブルーベリーによく似た見た目をしています。生で食べることもできますが、ジャムにして楽しむのもおすすめです。
ナツハゼの実には、アントシアニンやポリフェノールなどの成分が含まれています。ブルーベリーと比較して、アントシアニンが約3〜7倍、ポリフェノールの抗酸化能が約4倍と紹介されることもあり、健康面でも注目されている果実です。
ただし、成分量は品種や栽培環境、測定方法などによって異なります。
それでは、我が家で育てているナツハゼの木をご紹介します。
我が家のナツハゼの木はこちら↓
ナツハゼは成長が比較的ゆっくりな庭木です。そのため、我が家の木もそれほど大きくならず、こじんまりとした可愛らしい樹形をしています。

秋になると、ナツハゼの木にはたくさんの実がつきます。
赤く紅葉した葉の付け根あたりに、黒紫色の実が房状にまとまって実ります。赤い葉と黒紫色の実のコントラストが美しく、秋ならではの風情を感じられます。
実際に我が家のナツハゼが実をつけた様子がこちらです。赤く色づいた葉と、たわわに実った黒い実をご覧ください。

ナツハゼの実は、直径5〜6mmほどの小さな実です。
せっかくなので、熟した実を一粒摘み取って味見をしてみます。
口に入れてみると、かなり酸味が強く、少し草っぽさを感じる野性的な味わいです。
ジャムにすると、とても美味しく仕上がるナツハゼですが、生の実をそのまま食べると、正直なところ、それほど美味しいとは感じません。
この酸味と独特の風味が、ジャムにすることでどのように変わるのか。そんな楽しみもあり、毎年ナツハゼの実を収穫してジャムを作っています。

ジャム作りの事前準備
それでは、ナツハゼのジャム作りを始めていきます。
まずは事前準備として、完成したジャムを保存するための瓶を煮沸消毒しておきます。
手作りジャムを清潔な状態で保存するためにも、瓶の消毒は大切な工程です。

保存瓶は蓋を外し、水を張った鍋に入れてから火にかけます。
水の状態からゆっくりと温度を上げていくことで、急激な温度変化による瓶の破損を防ぎます。
沸騰してからしばらく煮沸し、消毒していきます。

さらに、瓶が鍋底に直接当たって割れるのを防ぐため、鍋の底に布巾を敷いておきます。
こうすることで、煮沸中に瓶が鍋底にぶつかる際の衝撃を和らげることができます。ちょっとした工夫ですが、瓶を安全に煮沸消毒するためのひと手間です。

瓶の口ギリギリまで水を入れ、鍋の水が沸騰してから約15分間、煮沸消毒します。
瓶全体がしっかりと熱湯に浸かるようにしながら、じっくりと煮沸していきます。

煮沸消毒が終わった瓶は、清潔な布の上に取り出して乾燥させます。このとき、消毒した瓶の内側に手やほかのものが触れないように注意します。
瓶の蓋も同様に煮沸消毒しておきます。
ジャムを清潔な状態で保存できるよう、瓶だけでなく蓋もしっかり準備しておきましょう。

それでは、早速ナツハゼの実を収穫していきます。
ナツハゼの実は、熟してくると少し柔らかくなり、皮が割れて中の果汁が出やすくなります。そのため、実を潰さないように注意しながら、一粒ずつ丁寧に摘み取っていきます。
収穫の際に気を付けたいのが、果汁による汚れです。ナツハゼの実を潰すと、ワインレッド色の果汁が手や服に付いてしまいます。
衣服に付くと汚れが落ちにくいこともあるので、収穫するときは汚れてもよい服装で作業するのがおすすめです。

今年は、ナツハゼの実が約1kg収穫できました。
小さな実を一粒ずつ丁寧に摘み取るのはなかなか大変ですが、これだけの量が収穫できると、ジャム作りにも十分な量です。
それでは、収穫したナツハゼの実を使って、いよいよジャム作りに取りかかります。

実の選別・洗浄と茎の取り除き作業
収穫したナツハゼの実には、潰れてしまったものや、傷んで状態が悪くなっているものも混ざっています。
そのため、まずは実の状態を確認しながら、一粒ずつ丁寧に選別していきます。
下の写真のように、傷んだ実や状態の悪い実を取り除き、ジャム作りに使う実だけを残していきます。

ナツハゼの実には、茎が付いたままのものもあります。
ジャムにしたときに口当たりが悪くならないよう、残っている茎をピンセットで一粒ずつ丁寧に取り除いていきます。

茎が付いたままジャムにしてしまうと、食べたときに口の中に硬いものが残り、異物感を覚えることがあります。そのため、茎はできるだけ残さないように、丁寧に取り除いていきます。
実は、この作業がナツハゼのジャム作りで一番大変な工程かもしれません。
一粒一粒が小さいうえに、ピンセットを使って茎を取り除いていくため、とにかく時間がかかります。収穫するだけでも大変ですが、こうした細かな下準備にも、かなりの手間がかかるんですよね。
実際に、ピンセットを使って茎を取り除いている様子がこちらです。小さな実を一粒ずつ確認しながら作業するため、根気が必要なのがお分かりいただけると思います。

すべての実をきれいな状態に整えたら、ザルに入れて冷水で何度か丁寧に洗います。
これで、ナツハゼの実の下準備は完了です!
洗い終わった実は、黒紫色の果皮がつややかに輝き、まるで黒い宝石のようです。小さな実がたくさん集まると、とても美しく、思わず見とれてしまいます。
ここまでの下準備には手間がかかりましたが、いよいよジャム作りの準備が整いました。

ナツハゼの実をミキサーにかける
下準備が終わったので、いよいよナツハゼの実をミキサーにかけていきます。
今年収穫できた実は約1kg。今回はその半分にあたる500gを使って、ジュース状にしていきたいと思います。
今回使うミキサーは、こちら!
子供のおもちゃと言われても不思議ではないような、なんとも頼りない見た目のミキサーです(笑)。
今どきのスタイリッシュな家電とは程遠いですが、なんと20年近く使い続けているベテラン選手。見た目はちょっと頼りなくても、まだまだ現役で頑張ってくれています。
そろそろ引退してもおかしくない年齢ですが、今年もナツハゼのジャム作りで働いてもらいましょう!

ナツハゼの実は、すべて粒のまま鍋で煮込んでジャムにすることもできます。ただ、それだと実の粒感が強く残りすぎてしまうんですよね。
これまで何度もナツハゼのジャムを作ってきた経験から、私は実の半分をミキサーでジュース状にし、残り半分は粒のまま煮込む方法に落ち着きました。
こうすることで、なめらかな口当たりと、ナツハゼの実ならではの粒感を両方楽しむことができます。いろいろ試してきましたが、私にとっては、この割合が最もバランスの良い仕上がりになると感じています。

煮込み作業
ミキサーでジュース状にしたナツハゼの実を鍋に移しました。

続いて、残り半分のナツハゼの実を粒のまま鍋に加えます。
これで、ミキサーにかけた実と粒のままの実が合わさりました。
なめらかな果汁と、実ならではの食感を両立させるためのひと工夫です。これが、何度もジャムを作ってきた中でたどり着いた、私なりのお気に入りの方法です。

続いて、グラニュー糖を600g計量します。
ブルーベリーのジャムを作るときは、一般的に実の重さの半分程度の砂糖を加えています。
ところが、ナツハゼはブルーベリーと比べて酸味がかなり強い果実です。そのため、これまでの経験から、私はナツハゼの実1kgに対して、少し多めの600gのグラニュー糖を加えるようにしています。
それでも、出来上がったジャムはなかなか酸味の強い仕上がりになります。
甘さの中にしっかりとした酸味が感じられるのが、ナツハゼのジャムならではの特徴です。

それでは、グラニュー糖を鍋に加えていきます。
さらに、私はレモン汁も50ccほど加えています。
レモン汁を入れるとジャムの発色が良くなると聞いたことがあるのですが、実際にどの程度違いが出るのかは、正直なところよく分かりません(笑)。
ナツハゼ自体にかなり強い酸味があるので、レモン汁は必ずしも入れる必要はないと思います。今回はいつもの作り方に従って加えますが、なくても問題なく作れるのではないかと感じています。

それでは、砂糖を崩すように混ぜながら、弱火から中火くらいの火加減でコトコト煮込んでいきます。
実際に鍋で煮込んでいる様子がこちらです。
ナツハゼの実から少しずつ水分が出てきて、砂糖と混ざり合いながら、だんだんとジャムらしくなっていきます。
このときに気を付けたいのが、鍋底の焦げ付きです。焦げ付かないように、鍋底からしっかり混ぜながら、とにかくかき混ぜ続けます。
ずっと混ぜているのは少し大変ですが、せっかく収穫したナツハゼをおいしいジャムにするため、ここは根気よく作業していきましょう。

30分ほど煮込んでいると、ナツハゼの実が少しずつ崩れて粒感がなくなり、全体的にドロッとしてきます。
このくらいまで煮詰まってきたら、ナツハゼジャムの完成です!
煮込んでいる間はひたすらかき混ぜる必要があるので少し大変ですが、こうしてジャムらしい状態になってくると、ようやく完成したという実感が湧いてきますね。

瓶に移す
それでは、完成したナツハゼジャムを、煮沸消毒しておいた瓶に移し替えていきましょう。
ここで私が使っているのが、なんとコーヒー用のドリッパーです。
瓶の口にちょうどよくフィットするサイズなので、ジャムを移し替えるときにとても使いやすいんです。専用の道具を用意しなくても、身近な道具が意外なところで役立ちますね。
ちなみに、今回使用しているのは「HARIO(ハリオ)V60 透過ドリッパー」です。
ジャムを瓶に移す作業も、これがあるとスムーズに進みます。

ジャムを瓶に移したら、瓶の口いっぱいまで入れていきます。
このあと蓋を閉めるので、こぼさないように気を付けながら、できるだけたっぷり詰めていきましょう。

保存用に瓶内の空気を抜く作業
ジャムを瓶に詰めたら、次は瓶の中に残った空気を抜く作業です。
お湯を入れた鍋に瓶を入れ、蓋を軽く閉めた状態で湯煎していきます。
瓶の中の空気を温めて外に逃がすことで、冷めたときに瓶内の空気が収縮し、密閉性を高めることができます。
こうすることで、できるだけ空気が残らない状態にして保存性を高めます。

5分ほど湯煎したら、瓶を取り出して蓋をしっかりと閉め、逆さまにして冷ましていきます。
瓶を逆さまにするのは、ジャムが蓋の内側に触れることで、蓋に付着した雑菌を熱で減らすためともいわれています。
ただ、この方法でどの程度の効果があるのかは、私自身よく分かっていません(笑)。
それでも、少しでも保存性を高められればと思い、いつもこの方法で作業しています。
なお、逆さまにするだけで十分な殺菌ができるわけではないため、長期保存を考える場合は、適切な瓶詰め方法や保存条件にも気を付ける必要があります。

瓶が少し冷めてきたら、これでナツハゼジャムの完成です!
今回は、ナツハゼの実1,000gに対して砂糖600gを使い、アヲハタの400g入りジャム瓶で3瓶分と、さらに少し余るくらいの量ができました。
自分で収穫したナツハゼから、これだけたくさんのジャムができるとうれしいですね。手間はかかりましたが、今年も無事に作ることができました。

まとめ
毎年10月中旬になると、我が家では恒例のナツハゼジャム作りが始まります。
昨年、ナツハゼの木をかなり剪定してコンパクトにしたため、今年は例年よりも収穫量が少なくなってしまいました。それでも、1kgほどの実を収穫することができたので、まずは良しとしましょう!
ナツハゼの実は、生のままだと酸味が強く、少し草っぽいような野性的な味わいがあります。正直なところ、そのまま食べてもそれほどおいしいとは感じないのですが、ジャムにすると驚くほどおいしくなるんです。
ブルーベリージャムと比べると、全体的に味が濃く、甘みも酸味もしっかりしているのがナツハゼジャムの特徴です。この甘酸っぱさがクセになり、毎年作るのが楽しみになっています。
焼きたてのパンに塗って食べるのはもちろん、ヨーグルトに入れて食べるのもおすすめです。
そして、我が家で特にお気に入りなのが、パイ生地を使ったナツハゼベリーパイです!
市販のパイ生地にナツハゼジャムをのせて焼き、バニラアイスを添えて食べるのですが、甘酸っぱい熱々のパイと、ひんやり冷たいバニラアイスの相性が抜群なんです。
手間をかけて収穫し、ひと粒ずつ下処理をして作ったジャムだからこそ、食べるときのおいしさもひとしおです。
今年も無事にナツハゼジャムを作ることができました。また来年の秋も、たくさんの実が収穫できることを期待したいと思います!


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